泡沫の雲母の夢 ⑥
碧谷 明

「そーですねぇ。すっごく分かりやすいのに。」
「にゃ~お、にゃ~?(アノ分だと、自分の気持ちにも気付いてないってカンジ?)」
「そうそう。もー激ニブですよねー。あーあ、二人ともかあいそ。」
「にゃ~? にゃにゃにゃ~?(えー? でも雷霆サンはちょっと自業自得でしょ?)」
「ああ、確かに。もーあの人長生きのし過ぎでちょっとスレちゃってる感じだから。」
「にゃ~(そうそう)。」
「あ、でも、僕は玻璃音サンの方がいいなァ?」
「にゃ~~~♪♪♪」
怪しの者達の寿命は長い。
と同時に、
雲母もまた長い、長い寿命を有する。
そんな雲母にとってこれはほんの瞬きの間、
泡沫の夢にすぎない。
こんな日常の風景が、
数えきれぬほどに積み重なり、
雲母は時を重ねてゆく。
人知れず世界の果てにある都市は、
人知れず時を重ねてゆくのだ――。

碧谷 明